10/2(土)17:30より、地域でお店を運営する〜アメリカ生協見聞録〜イベントを開催しました。
イベントはリアルとオンライン併用で行いました。
なかなか知ることができない、海外の生協について深く知ることができました。
この見聞録は、コワーキングスペース永福の母体である『生活クラブ』理事の方が、実際にアメリカの生協を見学した時の様子を豊富な写真とともにお話しくださったものです。
特にニューヨークのブルックリン地区にある「パークスロープフードコープ」、略して『PSFC』の取り組みが興味深く、日本で同じような取り組みはできるのだろうか?という点に注目しながら、聞きました。
『PSFC』は年商64億円、組合員数1万7000人を有する、ニューヨーク、ブルックリン地区にある巨大なCOーOPです。入会金は25ドル、出資金は100ドル。組合員全員が労働に参加するルールがあります。
興味深かった点は、まず組合員になるためには厳しめのルールがあることです。
まず組合員になるために3時間にもわたるオリエンテーションを受けます。内容を理解し納得した上で、組合員になります。
特徴的なのは、組合員は消費者であり、店のオーナーでもあるということが徹底されている事です。これを特徴づけるのは、1人4週間ごと、に2時間45分のシフト(年間13回)仕事に参加しなくてなならない点です。
組合員が仕事をすることで、
①価格を安くできる
②コープに対する思い入れが強くなる。
仕事は6分野に分かれ、5:00ー23:00までシフトがあるため、自分の仕事の前や、終わってからでもシフトに入ることができるようになっています。また組合員以外はどんな事があっても買い物できず、組合員が非組合員に買い物の代行をすることもできません。世帯全員が組合員にならなければならず、同世帯の出資金などが滞った場合は、買い物ができないそうです。
面白いのは通常は2時間45分の労働が、掃除を選択した人は2時間で良いというもの。誰も掃除をしたがらないから、がその理由だそうです。
他にも特徴的な面白いお話がたくさん聞けました。
日本の小売店は古くから『お客様は神様』ではないですが、消費者とオーナーはパッキリと色濃く分かれており、昔ほどではないにせよ、今でもその傾向は強いと思います。『PSFB』は消費者がオーナーであると強く認識し、消費者とオーナーの境目をなくすことにより、うまくいっている顕著な例だと思います。このような堅固なシステムを作り上げるには長い年月がかかっていますが、このようなシステムに少しずつシフトチェンジしていく時ではないかと感じました。現にこのシステムをフランスやドイツでも採用しているところがあるそうですが、システムを導入したのちどのような経過を辿っているのか興味深いですね。
今回は初めての試みとして、リアルとオンラインでイベントを行いました。
コロナの前には、『永福シネマ』や『ちょい呑みコワーキング』などのイベントをしていましたが、様子を見ながらまたオンライン、リアルに限らずまたイベントをしていきたいと思っていますので、ぜひご参加ください。
また、やってみたいイベントなどございましたらぜひ提案してみてください。
皆様のご参加心よりお待ちしています。
スタッフ加納